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【レコーディング日】

【発売日】

英国 米国  日本 

【チャート状況】

 

【収録曲】

(1) A Hard Day's Night ハード・デイズ・ナイト(旧タイトル ビートルズがやって来るヤア!ヤア!ヤア!)

(2) I Should Have Known Better 恋する二人

(3) If I Fell 恋におちたら

(4) I'm Happy Just To Dance With You すてきなダンス

(5) And I Love Her アンド・アイ・ラヴ・ハー

(6) Tell Me Why テル・ミー・ホワイ

(7) Can't Buy Me Love キャント・バイ・ミー・ラヴ

(8) Any Time At All エニィ・タイム・アット・オール

(9) I'll Cry Instead ぼくが泣く

(10) Things We Said Today 今日の誓い

(11) When I Get Home 家に帰れば

(12) You Can't Do That ユー・キャント・ドゥ・ザット

(13) I'll Be Back アイル・ビー・バック

 

【エンジニア】

【使用楽器】

〈ジョン・レノン〉

ギブソンJ-160E,リッケンバッカー325、ホーナー・ブルースハープ、タンバリン、ピアノ

〈ポール・マッカートニー〉

ヘフナー500-1、ピアノ、カウベル

〈ジョージ・ハリスン〉

ギブソンJ-160E、リッケンバッカー360-12、グレッチ・テネシアン、ホセ・ラミレス・エステューディオ、グレッチ・カントリー・ジェントルマン

〈リンゴ・スター〉

ラディック・ダウンビート、カウベル、アフリカン・ドラム、ボンゴ、クラベス、タンバリン、コンガ

【レコーディング】

★アルバムとしては初めて4トラック・レコーダーが使用され、音質の劣化を防ぐことが出来、作業も効率化がアップした。ただ、トラック数が増えたためヴォーカルと楽器を別々に収録することも可能だったが、あくまでもビートルズは楽器とヴォーカルを同時にレコーディングすることにこだわった。ジョージ・マーティンによるとポールはベースとボーカルを別々に録るようになったのは、もっと後の「Sgt.Pepper~」の頃だそうだ。

★ジョージ・マーティン、、、「これまでは2トラックだったからライヴで録っていた。まるで生放送のようにね。4トラックが誕生したおかげであとからダブルトラッキングでヴォーカルをかぶせたり、ギターソロを入れられるようになった。」

★リンゴがヴォーカルを担当する曲が収録されていないが、アルバムのレコーディング中の'64年6月3日にリンゴが扁桃腺炎で緊急入院したため、スケジュール的にリンゴのヴォーカル曲をレコーディング出来なかったからといわれている。

★ジョージのペンによる「You Know What To Do」、最後にはシラ・ブラックに提供されたポール作の「It's For You」、このときにはトミー・クイックリーに提供予定だったジョンの「No Reply」がデモ・レコーディングされた。

【ジャケット写真】

★撮影場所、、、 

★撮影日、、、 

★カメラマン、、、ロバート・フリーマン

★ロバートはアートワークも担当しているが、当初は配給元のUA社がデザインをしていた。その校正刷りを見たロバートはあまりのダサさに驚き、自分がデザインをやり直すことをUA社に承知させた。

★ロバートのコメント、、、「それはギターの先にビートルかつらを乗せた、漫画のようなイラストだった。」 

★ロバートのコメント、、、「このポートレートのためにスタジオを借り、ひとりひとりの様々な表情を撮影した。背景を白にして横から柔らかな光を当てた。ビートルズには黒い服を着てもらった。彼らの表情が連続した動きを持つようにメンバーごとに一列に並べた。格子状にしたらアルバムジャケットにも映画のポスターにも上手く合ったよ。」

【エピソード】

★映画本編に使用される予定だった「I'll Cry Instead」がボツになり「Can't Buy Me Love」が採用されたことで、必然的にアルバムに収録されることとなった。監督のリチャード・レスターが映画に関して大きな権限を持っていたためとはいえ、「既発売曲はアルバムには収録しない」というビートルズのポリシーはここで残念ながら破られることとなった。

★「曲は純粋に曲であるべき」との信念から、映画のストーリーに合わせた曲作りは行わなかった。

★収録曲すべてがレノン=マッカートニーの曲で構成された唯一のアルバム。ポップス、ロックのアルバムで収録曲すべてがミュージシャン自身のオリジナル曲で構成されているのは、ほぼ前例がなく「単なるアイドル・グループ」と見ていた評論家、マスコミ等は驚きを持って迎えた。

★「自分たちで曲を作り、歌い、演奏する」というスタイルを、このアルバムによって完全に確立させた。この事はこれ以降の音楽業界やミュージシャンを目指す若者たちに大きな影響を与え、目標とされる存在になった。

【コメント】

★ジョン、、、「(収録曲について)パリで2曲、アメリカで3曲。マイアミ・ビーチで日光浴をしながら書いた。」

★ジョン、、、「パリ公演のときに映画用に何とか2曲仕上げた。アルバムには好きな曲が4曲ある。「Can't Buy Me Love」「If I Fell」「I Should Have Known Better」「Tell Me Why」だ。」

【編集盤】

「A Hard Day's Night (United Artists)」

【収録曲】

(1) A Hard Day's Night ビートルズがやって来るヤア!ヤア!ヤア!

(2) Tell Me Why テル・ミー・ホワイ

(3) I'll Cry Instead ぼくが泣く

(4) I Should Have Known Better (Instrumental) 恋する二人 (By George Martin Orchestra)

(5) I'm Happy Just To Dance With You すてきなダンス

(6) And I Love Her (Instrumental) アンド・アイ・ラヴ・ハー (By George Martin Orchestra)

(7) I Should Have Known Better 恋する二人

(8) If I Fell 恋におちたら

(9) And I Love Her アンド・アイ・ラヴ・ハー

(10) Ringo's Theme (This Boy) ジス・ボーイ (Instrumental)(By George Martin Orchestra)

(11) Can't Buy Me Love キャント・バイ・ミー・ラヴ

(12) A Hard Day's Night (Instrumental) ビートルズがやって来るヤア!ヤア!ヤア!(By George Martin Orchestra)

★ステレオ盤に収録されているビートルズ・オリジナル・ヴァージョンはすべて「擬似ステレオ」である。

★インストルメンタル・ナンバーは、ジョージ・マーティンのスコアによるオーケストラ演奏。

★このアルバムが制作された経緯は、アメリカの映画会社ユナイテッド・アーティスツ社がビートルズと3本の映画を作る契約を交わした際に、ビートルズとパーロフォンの5年間のレコード契約の中に、サウンドドラック・アルバムについて一言も書かれていないことに目をつけたことによる。

★キャピトル・レコードがEMIのビートルズのデビュー・アルバム発売の要請を無視し続けていたら、ユナイテッド・アーティスツ社のアルバムがアメリカでのデビュー・アルバムとなっていた。

「Something New」

【発売日】

★1964年7月20日

【収録曲】

(1) I'll Cry Instead ぼくが泣く

(2) Things We Said Today 今日の誓い

(3) Any Time At All エニィ・タイム・アット・オール

(4) When I Get Home 家に帰れば

(5) Slow Down  スロー・ダウン

(6) Matchbox マッチボックス

(7) Tell Me Why テル・ミー・ホワイ

(8) And I Love Her アンド・アイ・ラヴ・ハー

(9) I'm Happy Just To Dance With You すてきなダンス

(10) If I Fell 恋におちたら

(11) Komm, Gib Mir Deine Hand  抱きしめたい(ドイツ語)

【チャート状況】

★8週連続2位、予約だけで75万枚を売り上げた。

【エピソード】

★ユナイテッド・アーティスツ盤と5曲もかぶるという異常事態となり、さらにどちらが先に発売するかで競争になった。結局、映画公開日7月6日、英国オリジナル・アルバム発売日の7月10日よりもはるか前の6月26日にユナイテッド・アーティスツ盤が発売され、一部の曲は本国イギリスよりも早くアメリカのファンが聴くことになる異常事態になった。

★ユナイテッド・アーティスツ盤が先に発売されたこともあってか、キャピトル盤はアルバム・チャートで1位のユナイテッド・アーティスツ盤を越えることは出来ず2位。結局ビートルズのアルバムが1,2位独占となった。

【コメント】

★メロディ・メーカー誌(1964年6月27日付)、、、「アルバムの1曲目「A Hard Day's Night」はコマーシャル的ということではダントツの曲で、アルバムの幕開けとしては最高であり、ジョージの弾くすばらしいギターのおかげでハードにスイングしている。その奇妙なサウンドは誰かが音響効果の部屋で見つけてきた特殊なドラムのせいだ。「Tell Me Why」はジョンのヴォーカルで始まり、他のメンバーが快いハーモニーでそこに加わる。これまで聴いた中で最も洗練されたビートルズ・ナンバーだ。「Any Time At All」は素晴らしく趣味がいい。また「You Can't Do That」は「Can't Buy Me Love」のB面としてリリースされているバージョンよりもずっといい。」

★レコード・ミラー誌(1964年7月11日付)、、、「オープニングはすでにポップス史に残る名曲だ。ジョンのヴォーカルがダブル・トラックで録音され、オーケストラの演奏で再三スクリーンに流れる映画のテーマ曲だ。ジョンとポールは「If I Fell」で一緒にヴォーカルをとる。多くの魅力を感じずにはいられないスロー・バラードだ。「I'm Happy Just To Dance With You」はジョージがリード・ヴォーカル。リンゴの説得力あふれるパーカッションに後押しされて、ジョージは楽しそうにスイングしている。ポールは「And I Love Her」を引き受けているが、典型的ビートルズ・ナンバーとは言えない曲だ。「Tell Me Why」ではビートルズらしさが戻り、高音部のヴォーカルはすべてファルセット。まぎれもなくビートルズ的だ。」

★ディスク誌、、、「曲は素晴らしいギター・コードで始まり、映画によく合うように考えて作られていることが出だしからよくわかる。そして、すぐジョン・レノンがヴォーカルを担当する軽快な調子のパートに続く。ジョンは単純な言葉を力強く、ポンポンはじくように叩きつけ、ポール・マッカートニーの合いの手がはさまれる。中盤には素敵な間奏も現れる。その、ピアノとギターによる演奏は緻密で楽しい味わいをもたらしている。」

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