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【映画「The Long And Winding Road」】

★1969年に企画が持ち上がっていたドキュメンターリー映画。映画「Let It Be」と時期的に重なったことや、メンバー間のいざこざなどの問題が起こって頓挫してしまった。これを解散後25年を経て新たにビートルズのメンバー公認のドキュメンタリーを制作するにあたって、タイトルも変更になった。

★これは1980年代に入り、ポール、ジョージ、リンゴ、ヨーコの関係が修復されたことが大きい。

【プロジェクトが動き出すまで】

★ジョンの残したデモ・テープに他の3人が手を加えてビートルズの新曲とするアイデアはジョージの発案によるもの。その後にヨーコの承諾を得ている。

★当初はポール、ジョージ、リンゴの3人でドキュメンタリーのための新曲を制作する予定だったが、いざスタジオに入ってみるとジョン抜きでのビートルズ作品を作ることに抵抗感が出ていた。

【プロジェクトの始動】

★プロジェクトは3人のビートルの他、ジョージ・マーティン、ニール・アスピノール、デレク・テイラーらの、当時のスタッフが再集結して進められた。

★1994年2月、サセックスにあるポールのスタジオで「Free As A Bird」のレコーディングがスタートする。同時に「Now And Then」「Grow Old With Me」にも着手する。

★1994年6月、「Now And Then」のレコーディングに取り掛かるも難航。ジョージの提案でフライアー・パークのジョージのスタジオでレコーディングを継続することになる。セッションでオールド・ロックン・ロールを録音するが、この様子はAnthology Boxのボーナス・ディスクに収録されている。

★1995年2月、ポールの自宅スタジオで「Real Love」のレコーディング。「Now And Then」にも三度挑戦する。

★1995年3月、ビートルズ3曲目の新曲として、またもや「Now And Then」のレコーディングに挑戦するも難航。もうひとつの新曲候補「Grow Old With Me」とともにレコーディング作業の中止を決定する。

★1995年5月、「Real Love」が完成する。新たにマッカートニー・ハリスンの新曲に取り掛かるも中止となり、これをもってビートルズ新曲プロジェクトは終了した。

【エピソード】

★リンゴは3人だけのビートルズを「Threetles スリートルズ」と命名した。

★1996年11月、アップルが、今後ポール、ジョージ、リンゴがグループとして活動することは一切無いと正式発表。スリートルズは消滅した。

★「Free As A Bird」のレコーディング中、ポール、ジョージ、リンゴがスタジオの外でフォト・セッションをしているときに白いクジャクが迷い込んで、ポール、ジョージ、リンゴ、白いクジャクの写真が出来た。ポール、、、「あのクジャクはジョンだ。不思議だろ?ジョンがぶらついているみたいだった。ボクたちはレコーディングの間ずっとジョンを感じていたんだよ。」ちなみにジュリアン・レノンはジョンが亡くなる直前に「白い羽をさがせ。そうすれば父さんがいつもおまえのそばについていることがわかるだろう」と言われていた。

【レコード盤、CD】

【Anthology 1のページへ】

【Anthology 3のページへ】

【未発表曲「Now And Then」】

★「Free As A Bird」に続く曲としてアンソロジー・プロジェクトで取り上げられたが、ジョージが乗り気ではなかったために「Real Love」のレコーディングが進められることになった。

★アンソロジー・プロジェクトで取り上げていながら、上手くいかなかったために中断した。2007年ごろポールは、あれこれ試行錯誤しながら、この曲のコーラスをレコーディングしていた。しかし、ジョージ亡き今、今のところ発表する予定はない。

★実は「Now And Then」は曲のタイトルではなく、別に正式なタイトルがあり、「Now And Then」は歌詞の一部であるという。

★ポールのコメント、、、「Real LoveはFree As A Birdに比べて少しつまらなかった。」

★ジェフ・リンのコメント、、、「Aマイナーのブルージーなバラードだったと思う。とても素敵な曲で、ボクもとても気に入っていたので、完成させていたら良かったのにと思うよ。」

 

 【未発表曲「If You've Got Trouble」】

作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー

【ジョン・レノン】フェンダー・ストラトキャスター

【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1

【ジョージ・ハリスン】バッキング・ヴォーカル、リッケンバッカー360-12、フェンダー・ストラトキャスター

【リンゴ・スター】ヴォーカル、ラディック・スーパー・クラシック

【プロデューサー】ジョージ・マーティン

【エンジニア、アシスタント】

【収録日】

★1965年2月18日

【レコーディング詳細】

★あまりのノリの悪さに、ギター・ソロの前でリンゴの「あー、誰かロックしてくれ、誰でも良いから」とぼやいている声が収録されている。

【エピソード】

★アルバム「Help !」に収録する予定で書かれたリンゴのヴォーカル曲。しかし、仕上がりに満足がいかずボツになる。

★録音テープはジョージ・マーティンがアビー・ロード・スタジオで発見した。

【コメント】

★ジョージ、、、「この曲が発見されたんだけど、すごく変な曲で、レコーディングした記憶がまったく無い。歌詞もバカバカしくてどうしようもない曲だ。ボツになって当然だ。」

 【未発表曲「That Means A Lot」】

【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー

【ジョン・レノン】バッキング・ヴォーカル、フェンダー・ストラトキャスター

【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、ヘフナー500/1

【ジョージ・ハリスン】バッキング・ヴォーカル、スパニッシュ・ギター、フェンダー・ストラトキャスター

【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック、マラカス

【ジョージ・マーティン】ピアノ

【プロデューサー】ジョージ・マーティン

【エンジニア、アシスタント】

【収録日】

★1965年2月20日、3月30日

【レコーディング詳細】

★テイク24まで試された。

【エピソード】

★映画「Help !」のために書かれた曲。しかし、仕上がりに満足がいかずリリースできるクオリーティではないと判断されてボツになる。

★ブライアン・エプスタインがアメリカの歌手PJ・プロビーに提供された。プロビー・バージョンは若干スロー・テンポで全英30位を記録した。

【コメント】

★ジョン、、、「俺とポールが映画用に書いたバラードだ。でも上手く歌うことが出来なかった。ボーカルはひどい出来で、それを上手く歌えるやつに提供するべきだと考えたんだ。」

【未発表曲「12-Bar Original」】

作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リチャード・スターキー

【ジョン・レノン】

【ポール・マッカートニー】

【ジョージ・ハリスン】

【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック

【ジョージ・マーティン】ハーモニウム

【プロデューサー】ジョージ・マーティン

【エンジニア、アシスタント】

【収録日】

★1965年11月4日

【レコーディング詳細】

★レコーディングは2回おこなわれ、アンソロジー2に収録されているのは編集して短くなったもので、2回目の演奏は7分近くある。

【エピソード】

★ビートルズの楽曲では珍しい「インストゥルメンタル曲」で、ありふれた12小節のブルース即興曲。

【コメント】

★ポール、、、「ボクらが当時よく聴いていたのは、スタックスやモータウンといったブラック・ミュージックだった。ジョージは自分のジューク・ボックスにスタックスのレコードを山ほど入れていたくらいだ。」

【A Beginning】

【作曲者】ジョージ・マーティン

【プロデューサー】ジョージ・マーティン

【収録日】

★1968年7月22日

【エピソード】

★ホワイトアルバム収録の「Don't Pass Me By」のイントロダクションとしてレコーディングされたものの採用されず、映画「Yellow Submarine」の挿入曲となった。

★総勢26人の楽器編成は、バイオリン12、ビオラ3、チェロ3、ハープ1、フルート3、クラリネット1、ホルン1、ビブラフォン1、コントラバス1である。

★収録日には他に「Good Night」もレコーディングされており、同じ編成のオーケストラでのレコーディングとなった。

★後年、アルバム「Anthology 3」で正式にリリースされた。

 

【テレビ放送、ビデオ、DVD】

★2003年3月31日に世界同時リリースされたDVD-BOXは、4月14日付けのオリコン・チャートで1位を獲得したが、これがなんと洋楽部門史上初の1位獲得の快挙となった。
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