戻る

【プレミア・モデル54(に近いモデル)】

★ロリー・ストーム&ハリケーンズ在籍時から、初期ビートルズ時代の1963年5月頃まで使用された。

★バスドラム20インチ、バスタム16インチ、タムタム12インチで色はマホガニー・デュロプラスティック・フィニッシュ。スネアはプレミア・ロイヤルエースの4×14インチ。シンバルはクラッシュ20、ライド18、ハイハットは15インチで、クラット製またはアジャックス製と言われている。

★手書きの「Ringo Starr」のヘッド・ロゴは、1963年9月のEMIでのセッション時の写真が残っている。

★その後ロゴの文字は、テックス・オハラという人物がデザインした筆記体の「Beatles」となり、「B」の文字は触角の様なものが付いたカブトムシを模したデザインになっている。

★1963年5月頃にロンドンの楽器店「ドラムシティ」に120ポンド(当時のレートで約12万円)で下取りに出し、220ポンドのラディックのドラムを購入。差額が100ポンドあったが、ドラムシティ側がラディックの宣伝になるとして差額の支払いは無くなった。下取りに出したプレミア・ドラムは後にオーストラリア人に120ポンドで売却された。

【ラディック・ダウンビート】

★リンゴの初めてのラディック製のドラムセット。バスドラムが20インチ、フロアタムが14インチ、スネアはダウンビートセットに標準してついているものではなく、より厚みのある「ジャズ・フェスティバル・モデル」を組み合わせた。この「ジャズ・フェスティバル・モデル」が標準として組まれていたセットが「ブルーノート」であったため、長らくリンゴのドラムは「ラディック・ブルーノート」とされていた。バスドラのペダルは「スピードキングモデル」。シンバルはパイステ製でクラッシュ20インチ、ライドが14インチ、ハイハットは14インチである。それまで使用していたプレミア・ドラムセットを下取りに出して、ドラムシティ楽器店で入手した。最初からラディックを求めていたわけではなく、たまたま気に入った色の在庫があったのがラディックだったのでそれを購入したとのこと。このドラムセットが初めて公の目に触れたのは1963年5月12日のテレビ番組「サンク・ユア・ラッキー・スターズ」に出演したとき。「ドロップT」と呼ばれる有名なビートルズのロゴが世にでたのもこの時が最初で、ブライアン・エプスタインがドラムシティ楽器店に発注したものである。

★1963年2月12日、アゼナ・ボールルームに出演したときのポスターに「ドロップT」が登場している。当時リンゴのバス・ドラムには「バグ・ロゴ」といわれる「B」の文字に触覚を付けたものだが、上記ドラム・シティに発注する3ヶ月も前のことである。ドラムシティの店員アイバー・アービターの「自分がデザインした」が正しいのか謎である。

【2台目のラディック・ダウンビート】

★1964年3月頃に入手。サイズは今までと同じ。シンバルを「ジルジャン」製にして組んだセットも使用している。加えてタム・ホルダーとスネア・スタンドを「ロジャース」製に変更した。このセットは映画「A Hard Day's Night」で見ることが出来る。

【ラディック・スーパー・クラシック】

★入手したのは1964年5月。バスドラ22インチ、フロア16インチと「ダウンビート」セットより一回り大きくなっている。スネアだけは引き続き「ジャズ・フェスティバル・モデル」を使っている。1964、66年の全米ツアーや各種PVなど最も使用頻度の多かったセットである。

【2台目のラディック・スーパー・クラシック】

★1965年夏ごろ入手。前年に入手したスーパー・クラシックとサイズやホルダー、スタンドの変更箇所なども同じである。1965年の全米ツアー等で使用された。

inserted by FC2 system