【Help !】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はジョンの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、フラマス・フーテナニー5/024 12strings,、
【ポール・マッカートニー】バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】バッキング・ヴォーカル、グレッチ・テネシアン、リッケンバッカー360-12
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック、タンバリン
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】1965年4月13日
【発売日】シングル盤として英国では1965年7月23日、米国は1965年7月19日
【レコーディング詳細】
★EMI第2スタジオで午後7時から11時15分までレコーディング。当時はまだ珍しかった「演奏と歌を別々に収録する」という方法が取られた。
★テイク1では、ジョージが「Won't you please please help me」の部分で下降してくる12弦ギターによるフレーズに苦労しており、レコーディングは中断
★テイク2では走りすぎのテンポのためか、なんとなく中断して、テイク3ではポールが曲構成を間違えてストップ。
★テイク3はジョージが歌と演奏を同時にやることを不安に思っているジョージのために、「下降リフ抜き」でとりあえずやってみることになる。
★テイク4がOKテイクとなる。この後はこのテイク4に様々なオーバー・ダビングが施される。
★テイク5は最後まで演奏されるもテイク4より劣っていると判断されボツ。テイク6はすぐに演奏中止、テイク7は中間部分が上手くいかずにボツ。テイク8もスタートしてすぐにストップ。
★OKテイクであるテイク4を下地にしたものに、オーバー・ダビングしたものがテイク9~12.
★ジョージが苦労した「下降リフ」は最終12テイク目でレコーディングに成功した。
【テイク違い】
★モノラルとステレオではヴォーカルが違う。2番の歌詞の最初がモノラルでは「And Now~」だがステレオでは「But Now~」になっている。
★これはステレオ・ヴァージョンのほうが先に録音され、後日、EMIスタジオではなく、映画のアフレコのスタジオを使ってモノ・ヴァージョンを録音している。ヴォーカルを取り直したので、ヴォーカルと同じトラックに入っていたタンバリンの音も消去されているので、モノラル・ヴァージョンにはタンバリンが入っていない。
【エピソード】
★単なるラヴ・ソングではなく、人気絶頂のロック・スターが自身の苦悩を歌い、アイドルであっても歌いたいことを歌うという姿勢は、同世代の人たちや同業者などに大きな影響を与えた。
★ポールのこの曲への貢献は、カウンター・メロディーでポールとジョージが歌うコーラス・パートである。
★当初はもっとスローなバラードをイメージしてジョンは作曲した。結局はテンポを速めたアレンジとなったが、1970年にジョンは「商業的になろうとしすぎて、あれはテンポが速すぎた。」と後悔し、作曲時のスローテンポのバージョンをステージで披露するつもりだった。
【コメント】
★ジョン、、、「映画のために書けと言われたから書いただけだ。でも後になってから、自分が本当に助けを求めていたことが分かったんだ。」
★ジョン、、、「ジャーナリストのモーリーン・クリーヴに「なぜ2音節以上の言葉を使った曲を書かないの?」と言われたことを覚えているよ。だから2音節や3音節の言葉を使ったよ。それを誇らしげに彼女に見せたんだけど、それでも彼女は気に入らなかった。」
★ポール、、、「ジョンに自宅で曲を作ってたんだけど、出来上がったのを階下のシンシアとモーリーンに聴かせたら気に入ってくれてね。」
★ポール、、、「7:3でジョンの曲。」
【9月26日更新】★ジョージ、、、「ジョンが「今よりも若かったころは誰の助けも必要としなかった」って歌っているけど、彼はド近眼だから、いつもボクらがピッタリと同行して、クラブなんかに行った時には席に座らせてあげたものさ。それが「今より若かったころ」の彼さ。」
★NME誌、、、「ビートルズ最高傑作のひとつであることに間違いない。弾むようなリズムをバックにミディアム・ファーストのテンポで弾けるような感じ。大胆なギターの音が鳴り響く。しかし例によってメロディが巨大なハンマーで叩かれたような衝撃を与えている。基本的にはシンプルなのに覚えやすく印象的。一度聴いただけですぐに覚えてしまう。そして歌詞が、これまでビートルズが生み出してきたものの中で、最も思慮深いもののひとつになっている。」
【The Night Before】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー (実質はポールの作品)
【ジョン・レノン】ホーナー・ピアネット、バッキング・ヴォーカル
【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、ヘフナー500/1、エピフォン・カジノ
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・テネシアン、バッキング・ヴォーカル
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年2月17日
【レコーディング詳細】
★わずか2テイクで完成した。オーバー・ダビングのトラックではポールがカジノでジョージとのツイン・ソロを披露している。
【エピソード】
【コメント】
【You've Got To Hide Your Love Away 邦題「悲しみはぶっとばせ」】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はジョンの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、フラマス・フーテナニー5/024 12strings,、
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、マラカス
【ジョージ・ハリスン】スパニッシュ・ギター(ホセ・ラミレスではない)、フラマス・フーテナニー 12 ストリングス(可能性あり)
【リンゴ・スター】タンバリン
【ジョニー・スコット】フルート
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年2月18日
【レコーディング詳細】
★ジョニー・スコットは最初にテナーのフルートを吹き、その後アルト・フルートをオーバー・ダビングしている。
【エピソード】
★フルートを担当したジョニー・スコットのギャラは6ポンド(当時のレートで約6,500円)と標準的であった。
【コメント】
★ジョン、、、「ケンウッドで作曲していたんだ。作曲期間中で毎日曲を書こうとしていた。そして悲しそうに自分に向けて「Here i stand head in hand,,,」って歌ってみたんだ。自分の感情について考え始めていた。それが正確にいつ始まったのかはわからないけど。I'm A LoserとかHide Your Love Awayとかがそういった曲だ。自分をある状況に投影するのではなく、俺自身に対してどのように考えているかを表現したかったんだ。それは著書でやったことだけどね。ディランがそれに気付く手助けをしてくれたんだと思う。彼と話し合ったとかではなく、彼の作品を聴くことによってね。」
★ジョニー・スコット、、、「彼らから大まかな指示は聞いていた。3/4拍子の曲だった。彼らの要求にこたえるベストな方法はテナーとアルト、両方のフルートを吹くことだった。ボクの記憶では4人全員が立ち会っていて、新婚旅行から戻ってきたばかりのリンゴは結婚の喜びに満ちていた。」
【I Need You】
【作詞・作曲者】ジョージ・ハリスン
【ジョン・レノン】スネア・ドラム、バッキング・ヴォーカル
【ポール・マッカートニー】バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】ヴォーカル、ホセ・ラミレス・エステューディオ、リッケンバッカー360-12
【リンゴ・スター】パーカッション(ギブソンJ-160Eのボディ裏面を叩く)、カウベル
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年2月15,16日
【レコーディング詳細】
★初日の15日には5テイク費やしてバッキング・トラックを完成させたが、所要時間はなんと5分だった。
★ジョージはリッケンバッカー360-12をフットペダルを使って、ボリューム奏法を行なっている。
【エピソード】
★ジョージ初のバラードはパティに捧げられた。
★1964年のオーストラリア・ツアーの直前にパティと大喧嘩になって、そのまま仕事で離ればなれになってしまったとき、その気持ちを歌に込めたものとの説がある。ちなみに、この喧嘩の原因はパティの飼っていた犬がジョージの飼い猫をイジめたことだったという。
★レコーディングの5日前の2月10日、「Don't Bother Me」のときのようにジョンが手助けし、ジョンの家で夜を徹して「You Like Me Too Much」とともに曲作り完成させた。
【コメント】
【Another Girl】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はポールの作品)
【ジョン・レノン】バッキング・ヴォーカル、フェンダー・ストラトキャスター
【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、ヘフナー500/1、エピフォン・カジノ
【ジョージ・ハリスン】バッキング・ヴォーカル、ギブソンJ-160E、グレッチ・テネシアン
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年2月15,16日
【レコーディング詳細】
★ベースとなるバッキング・トラックはわずか1回のレコーディングでOKが出た。その後、ジョージがエンディングのギターを10回かけてレコーディングして、ひとまずOKが出ている。
★翌16日、ポールがリード・ギターをオーバー・ダビングして、この段階で前日収録したジョージのパートはボツになる。
【エピソード】
★ポールがチュニジアのリゾート地ハマメットで休暇中に書いた。ポールとジェーン・アッシャーはイギリス政府のゲストとして、大使館が所有する海岸にある人里離れた別荘に滞在していた。
★別荘のバスルームはイスラムのタイルが施されていて、その音響をポールが気に入りそこでこの曲を書いている。
【コメント】
★ポール、、、「お茶を飲んでいると、いきなりロシアの使節団が通ったりするんだ。そういうのはこっちでコントロールできることじゃなかった。イギリス政府の役人がボクたちを見て「彼は私たちの文化ゲストのひとりです」と紹介すると、ロシアの使節団が「やあ、こんにちは」って具合にね。(作曲したイギリス大使の別荘について)」
★ポール、、、「この曲がアルバムを埋めるためだけの曲というのは言い過ぎだ。それ以上だったからね。どの曲もビートルズのテストに合格しているから存在するんだ。ボクらが全員気に入っている曲でなければいけなかった。誰かひとりでも気に入らない曲があれば、拒否権が発動された。もしリンゴが「この曲は好きじゃない」と言えば、ボクらはその曲をボツにするか、彼を説得しなければならなかったというわけだ。」
【You're Going To Lose That Girl 邦題「恋のアドバイス」】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はジョンの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、グレッチ・ナッシュビル
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、ピアノ、バッキング・ヴォーカル
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・カントリー・ジェントルマン、バッキング・ヴォーカル
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック、ボンゴ
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年2月19日、3月30日
【レコーディング詳細】
★2テイクでベースとなるバッキング・トラックが完成した。そこに数々のオーバー・ダビングを施すわけだが、3月30日にもオーバー・ダビングが試されているが、これはボツになっている。
【エピソード】
★ジョンのケンウッドの自宅でポールとともに作った。
【コメント】
【Ticket To Ride 邦題「涙の乗車券」】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はジョンの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、フェンダー・ストラトキャスター、ハンド・クラップ(?)
【ポール・マッカートニー】バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1、エピフォン・カジノ
【ジョージ・ハリスン】リッケンバッカー360/12、グレッチ・テネシアン、ハンド・クラップ(?)
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック、タンバリン
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年2月15日
【レコーディング詳細】
★この曲のレコーディングから、最初にドラムとベースのリズム・パートをレコーディングし、その後他のトラックにギターやヴォーカルなどを収録するという、マルチトラック・レコーダーの特徴・利点を生かしたレコーディング手法が取られるようになった。
【エピソード】
★1960年にポールの従兄弟が経営するパブで、ジョンとポールが即席のデュオ・グループ「ナーク・ツインズ」を2日間限定で結成し歌った。後にポールの従兄弟夫婦はワイト島にあるRyde(ライド)という海辺の町にパブを移転した。ジョンとポールはまたそこへ遊びに行った。そのときのフレーズ「Ticket To Ryde(ライド行きの切符)」が、この曲の元になったという話がある。
★1965年4月19日にアメリカでリリースされたキャピトル盤シングルのレーベル面には「Eight Arms To Hold You」と印刷されている。
【コメント】
★ジョン、、、「レコードになった最も初期のへヴィ・メタルのひとつ。ポールの貢献はリンゴのドラムの叩き方を考えたことだ。」
★ジョン、、、「当時少し新しいサウンドだった。チャートで他のミュージシャンたちがやっていたサウンドと比べると、当時としてはかなりへヴィだった。今聴くとそんな風には聴こえないけど、当時俺は身がすくむ思いになったよ。俺がリミックスすれば、もっと良くなると思う。へヴィなレコードでドラムもへヴィだ。だから気に入ってる。」
★ポール、、、「メロディはジョンと一緒に書いた。レコードではジョンがメロディを歌い、ボクはそれに合わせてハーモニーを歌っているけどね。ジョンがメインだから60%はジョンの作品と言わざるを得ないかもしれない。シングルを作ろうとして作った曲で、、それが良い出来になった。ボクらは大体いつも3時間の作曲セッションをやって、終わるころには歌詞もハーモニーも細かい部分も全部できていた。ジョンはそのことを説明していないけどね。」
★ポール、、、「ミドル・エイトはおもにジョンが作ったんだと思う。レノン・マッカートニーは、ふたりのうちのどちらかが書いた曲が大半だった。どちらかがTicket To Rideは良いと思うよと言い、もうひとりが「オーケー、じゃ、Ticket To Rideを書こう」と言うのさ。」
★ポール、、、「興味深いのはクレイジーなエンディングだと思う。ここからテンポを変えたんだ。曲中の歌詞の一節「My Baby Don't Care」を使ったけど、メロディはまったく違うものにした。この曲でフェードアウトで新しいパートを演奏するというのを発明したかもね。フェイド・アウトのために書かれたパートで、すごく効果的だったけど、ちょっと生意気な感じの速いエンディングにした。当時はとても斬新だったよ。」
【Act Naturally】
【作詞・作曲者】ジョニー・ラッセル、ヴォニー・モリソン
【ジョン・レノン】ギブソンJ-160E
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、バッキング・ヴォーカル
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・カントリー・ジェントルマン(ギブソンES-345という説もある)
【リンゴ・スター】ヴォーカル、ラディック・スーパー・クラシック
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年6月17日
【レコーディング詳細】
【エピソード】
★バック・オーウェンス・アンド・バッカルーが1963年にリリースし、全米カントリー・チャートで1位を獲得している。
★すでに2月18日に「If You've Got A Trouble」をレコーディングしていたものの、ボツになっていたのでアルバム用のリンゴの曲が無いという状態になっていた。そこでリンゴ自身が選曲してレコーディングされた。
【コメント】
★リンゴ、、、「この曲はバック・オーウェンスのレコードなんだけど「この曲を歌おうと思う」とみんなに言ったら「OK!」って感じだった。ボクらはあらゆるジャンルの音楽を聴いていたからね。ジョンの歌った「Dizzy Miss Lizzy」もよく聴いていた曲だった。でもポールは「Yesterday」みたいな曲を作っちゃったんだから。まったくすごい奴だよ。」
【It's Only Love】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はジョンの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、フラマス・フーテナニー5/024 12strings、フェンダー・ストラトキャスター
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、エピフォン・カジノ
【ジョージ・ハリスン】ギブソンJ-160E、リッケンバッカー360/12
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック、タンバリン
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年6月15日
【レコーディング詳細】
★テイク6までレコーディングされた。
【エピソード】
★当初のタイトルは「That's A Nice Hat」というふざけたタイトルで、元々そんなに力を入れていた曲ではないと推察される。
【コメント】
★ジョン、、、「自分の曲の中でも、あの曲は大嫌いだ。特に歌詞が最悪だ。」
★ポール、、、「この曲みたいに、アルバムを埋めるための曲であり、歌詞が平凡でも、まあいいやって思うこともあった。歌詞が本当にひどければ変更するけど、そんなに厳しく考えなかったよ。ロックンロールなんだからね。別に文学じゃないんだ。」
【You Like Me Too Much】
【作詞・作曲者】ジョージ・ハリスン
【ジョン・レノン】ホーナー・ピアネット、タンバリン
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、ピアノ、バッキング・ヴォーカル
【ジョージ・ハリスン】ヴォーカル、ギブソンJ-160E、グレッチ・テネシアン(ギブソンES-345という説もある)
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック
【ジョージ・マーティン】ピアノ
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年2月17日
【レコーディング詳細】
★テイク8までレコーディングされた。
★ピアノは高音部をジョージ・マーティン、低音部をポールという風に、1台のピアノを連弾している。
【エピソード】
★ジョージは映画の挿入曲ということで、この曲を書いたが採用はされなかった。
【コメント】
【Tell Me What You See】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はポールの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、フェンダー・ストラトキャスター
【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、ヘフナー500/1、ホーナー・ピアネット
【ジョージ・ハリスン】ギロ、クラベス(リンゴ説あり)
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック、タンバリン(ジョージ説あり)
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年2月18日
【レコーディング詳細】
★4テイクのレコーディングで完成した。
【エピソード】
【コメント】
★ポール、、、「ボクの曲として覚えている。60:40でボクと言いたいところだけど、100%ボクかもしれない。ボクらの曲の中ではいい出来の方じゃないけど、役割を果たしアルバムやB面に持って来いの曲だ。そういう曲も必要だよ。」
【I've Just Seen A Face 邦題「夢の人」】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はポールの作品)
【ジョン・レノン】ギブソンJ-160E
【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、エピフォン・テキサン
【ジョージ・ハリスン】フラマス・フーテナニー5/024 12strings
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック、マラカス
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年6月14日
【レコーディング詳細】
★テイク8までレコーディングされたが、ベーシック・トラックは1テイクでレコーディングした。
【エピソード】
★当時、ポールが居候をしていたロンドンのジェーン・アッシャーに実家で書いた曲。
★ポールの「ジンおばさん」がこの曲を気に入っていたため、歌詞とタイトルが決まるまでは「Auntie Jin's Theme」と呼ばれていた。
★アメリカ盤「Rubber Soul」のA面トップに収録されたのは、キャピトル・レコードのA&R部門の反響が良かったから。
【コメント】
★ポール、、、「ボク的には少しカントリー&ウェスタンな曲だった。でもそれよりは速いね。奇妙なアップテンポだ。満足していたよ、歌詞もうまいし。聴き手をどんどん前に引っ張り、次の行の歌詞まで引っ張る。どこか主張的な要素があって気に入っていた。」
【Yesterday】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はポールの作品)
【ジョン・レノン】
【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、エピフォン・テキサン
【ジョージ・ハリスン】
【リンゴ・スター】
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年6月14日
【レコーディング詳細】
★ポールのソロ・レコーディングであるが、他のメンバー、特にジョージはスタジオに残ってレコーディングを見学していたことははっきりしている。テイク1にはポールが「ギターのチューニングを1音下げてGのキーで演奏しているから、本当はFなんだ。」とジョージに説明している様子が録音されている。
★6月17日にジョージ・マーティン提案の弦楽四重奏の演奏がオーバー・ダビングされる。内訳はバイオリン2台、チェロとビオラがそれぞれ1台。
★弦楽四重奏パートは、ポールがハミングしたものをジョージ・マーティンが採譜したもの。ポールにはクラシックの知識が無いため、クラシックにはありえない音遣いだとマーティンが忠告してもポールは押し通した。
【エピソード】
★1963年の後半、夢の中に現れたメロディに歌詞をつけるのに苦労して、長い間未完成となっていた。当時の恋人で居候していたジェーン・アッシャー宅でのことである。
★当初「スクランブルド・エッグス」というタイトルだったが、「そういうタイトルをつけるには、このメロディはあまりにも美しすぎた。」という理由も長期間未完成になっていた原因でもある。
★ポール自身が語ったところによると、1965年5月23日に作曲した。
★通常、楽曲というものは「4小節」「8小節」がセオリーであるが「Yestarday」はAメロが7小節というセオリーを無視した数であるが、奇妙さがまったく感じられない。
★ポールが1965年にポルトガルで休暇中に一気に歌詞を書き上げ、シャドウズのギタリストのブルース・ウェルチの別荘に行き、弾き語りで聴かせた。ここで歌詞が完成し「Yesterday」のタイトルが付けられた。ブルース・ウェルチ、、、「ボクは出発するために荷造りをしていて、ポールはギターはあるかと聞いてきた。彼はどうやらリスボンの空港からアルブフェイラに着くまでの間に歌詞を考えていたみたいだ。彼はボクのギターを借りて、今はYesterdayとして知られている曲を演奏し始めた。」
★この曲でのポールのアコースティック・ギターの弾き方は独特で、親指と人差し指で弦を挟むように弾き、その後人差し指でアップ・ピッキングのみで弾くという独特のスタイルである。
★当初は「ソロで出したらどうか」と他のメンバーも進言したというが、ブライアン・エプスタインは「ビートルズはバンドだから」と譲らなかった。
★ジョージ・マーティンはブライアン・エプスタインに「ポールの曲なんだから、クレジットも単独にするべきじゃない?」と尋ねたが、ブライアンは「彼らはグループだから、どんな事情があってもビートルズとしてレコードを出します。」と答えた。ポールもこの考えに賛成だった。
★ジョージ・マーティンは曲のアレンジについて、ストリングスを入れることくらいしか思いつかないとポールに言った。ポールは「マントバーニみたいにはしたくない」と答えた。マントバーニはイージー・リスニングの第一人者ともいわれるイギリスの編曲家。ポールは過剰なストリングス・アレンジを嫌い、ジョージ・マーティンはそうならないように、弦楽四重奏のアレンジを思いついた。
★「大人の鑑賞に堪えうる曲」として評価され、ただの雑音と眉をひそめていた層がビートルズを見直す契機になった曲だが、ジョンは以来「オレにはYesterdayがない」といつも劣等感に似たものを持っていた。それを吹き飛ばしたのが「Imagine」。「オレにとってのYesterdayがやっとできた」と喜んでいた。
【コメント】
★ポール、、、「最初は歌詞がなかったから、ふざけて歌っていたんだ。Scranbled eggs oh my baby how i love you legsてね。」
★ポール、、、「ボクの曲の中では1番の出世作。」
★ポール、、、「ロフトに住んでいて、ベッドのそばにピアノがあったんだ。ある朝、頭の中にメロディが浮かんでいる状態で起きて、「この曲は知らないな。それとも知っているのか?」って考えた。ジャズのようなメロディだった。父は昔のジャズの曲をたくさん知っていたから、もしかしたら昔の曲を思い出しているのかもしれない、と思った。ピアノのところに行ってコードを探した。そして友人たちに、それが何ていう曲か聞いて回ったんだ。「この曲知ってる?いい曲だけど、夢で聴いた曲だからボクが書いたなんてあり得ないよね」ってね。」
★ポール、、、「ソロで発表したいなんてまったく思わなかったよ。そんな考えすら浮かばなかった。よくお世辞で「独り立ちすべきだ」とか「ソロ・レコードを出すべきだ」とか言う人たちもいたけど、いつも否定してた。イギリスでYesterdayのシングルをリリースしなかったのは、ちょっと抵抗があったからなんだ。ボクらはロックン・ロール・バンドだからね。」
★ポール、、、「Yesterdayは誇りに思っている。女々しいとかよくからかわれたけどね。ジョージなんか「あいつはベートーベンか何かの生まれ変わりか?」だって。まんざら悪い気はしないよ。ボクの曲の中でこんなに完璧な作品はないからね。」
★ポール、、、「スタジオでこの曲を初めて弾き語りをしたとき、すぐにリンゴが「この曲にドラムをつけるなんてナンセンスだ」って言った。そしたらジョンもジョージも口を揃えて「他のギターもいらないよ」って。そのときジョージ・マーティンが「ひとりでやってみたらどう?」って言ったんだ。「ソロってこと?」ってボクはみんなの顔をまじまじと見たよ。するとみんなは「かまわないよ。だってボクらが出来ることはないんだから」って言ってくれた。」
★ジョージ・マーティン、、、「「単語ひとつのタイトルにしたくてYesterdayというのを考えているけど、もしかしたらベタ過ぎるかも」とポールが言っていた。問題ないと私は彼を説得したよ。」
★リチャード・レスター監督、、、「スタジオで4週間ほどかけてHELP !を撮影していた。その間のどこかの時点でステージにピアノがあり、ポールが絶えず「スクランブルド・エッグス」という曲を弾いていたよ。あまりにも弾くからボクはポールに「その曲をこれ以上演奏したら、このピアノをステージから移動させてもらうぞ。曲を完成させるかあきらめるかどっちかにしろ!」と言ったんだ。」
【Dizzy Miss Lizzy】
【作詞・作曲者】ラリー・ウィリアムズ
【ジョン・レノン】ヴォーカル、リッケンバッカー325、オルガン
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、ホーナー・ピアネット
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・テネシアン
【リンゴ・スター】ラディック・スーパー・クラシック、カウベル
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】
【収録日】
★1965年5月10日
【レコーディング詳細】
【エピソード】
★ラリー・ウィリアムズが1958年にリリースした曲。アメリカのキャピトル・レコードのレコーディング要請に応える形で「Bad Boy」とともに同じ日にレコーディングされた。
★当初はアルバム「Help !」に収録する予定は無かった。
【コメント】
★ポール、、、「最近聴いた「Dizzy Miss Lizzy」のアウト・テイクでジョンが「今の何がいけなかったんだ?」と言って、ジョージ・マーティンが「エキサイティングさが足りなかったよ、ジョン」と言い、ジョンが「クソッ」とつぶやいている。「エキサイティングさが足りないって?じゃあ、あんたがここに来て歌ってみろよ」とかね。プレッシャーでイライラしているんだと思う。長い間、一生懸命に仕事をしていると、休みが必要なんだ。」