【It Won't Be Long】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はジョンの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、リッケンバッカー325
【ポール・マッカートニー】バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・カントリー・ジェントルマン、バッキング・ヴォーカル
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【収録日】1963年7月30日
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【レコーディング詳細】
★1963年7月30日の午前中に10テイク録音されたが、BBCに行く時間になりいったん中止された後、同日の夜に編集用も含めて23テイク録音された。17と21がベストテイクになった。
★初期のテイクではジョンがエンディングでシャウトしており、フェイドアウトで終わろうと考えていた可能性がある。
【エピソード】
★ジュリアン・レノンはコンサートでこの曲を披露した。
★シンガー・ソング・ライターのニール・ヤングが人前で初めて歌った曲。
★ビートルズのアルバムの1曲目にはインパクトのある曲が多いが、今回はお得意の?「イントロ無しでいきなり歌で始まる曲」が採用されている。
★ジョンがシングル用に作った曲だが、She Loves YouがA面、I'll Get YouがB面に決定したため、アルバム用にまわされた。
★元々シングル用に作られた曲にもかかわらず、ステージで一度も演奏されたことはない。ただ1964年3月20日放送のテレビ番組「レディ・ステディ・ゴー」でレコード音源にあわせて演奏した「口パク」の映像が残っているが、ジョンを筆頭に真面目にレコードに合わせるつもりはないパフォーマンスになっている。
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、「Beatles Mono Box」の「With The Beatles」、「With The Beatles(1987年盤)」等
★オリジナル・ステレオ、、、「With The Beatles (2009年ステレオ盤))」、「The US Box」の「Meet The Beatles」等
★ステレオ盤では、エンディングでスロー・テンポになる部分の「till i belong」の箇所で「ジャラーン」とギターの音が入るが、モノラル盤には入っていない。
【コメント】
★ジョン、、、「シングル用の曲を書こうとしたんだけど上手くいかなかった。ロンドン・タイムズの何とかっていう記者が「イオリアン的抑揚」とか言っていたな。ビートルズの知的解釈の始まりってやつだ。」
★ポール、、、「It Won't Be Long Till I Belong To You はダブル・ミーニングになっている。」
★ジョン、、、「エンディングはマーラーによるシンフォニーの終わり方だと誰かが指摘していたけど、どうもその通りらしい。でも一体全体そのことが、どんなことなのかボクには分からないんだ。」
【All I've Got To Do】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はジョンの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、ギブソンJ-160E
【ポール・マッカートニー】バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・カントリー・ジェントルマン、バッキング・ヴォーカル
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【収録日】1963年9月11日
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
★スモーキー・ロビンソン&ミラクルズが1960年にリリースした「You Can Depended On Me」に影響を受けた曲といわれているが、確かにイントロ一発目のコードはそっくりである。
★ポールは通常の弾き方に加え「和音弾き」でベースに独特のアレンジをしている。
★ジョンのコメント、、、「Annaのオリジナル・バージョンってところかな。スモーキー・ロビンソン・サウンドを作りたかったんだ。」
【All My Loving】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はポールの作品)
【ジョン・レノン】バッキング・ヴォーカル、リッケンバッカー325
【ポール・マッカートニー】リード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・カントリー・ジェントルマン、バッキング・ヴォーカル
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【収録日】1963年7月30日
【シングル盤としての発売日】
★日本1964年5月25日発売(B面は Love Me Do)、カナダ1964年3月9日(B面は This Boy)
【レコーディング詳細】
★ギター・ソロの後の3コーラス目の「tomorrow i'll miss you~」の「miss you」の部分で、ポールのベースが結構派手な弾き間違いをしている。
【エピソード】
★アメリカの大衆の前でのビートルズ初見参となった「エド・サリヴァン・ショー」初出演でのトップを飾った。このときの演奏はキーを半音下げていた。
★レコードでは3番の歌詞の部分はポールのダブルトラックでハーモニーをつけているが、ステージではハーモニーの下の部分はジョージが歌っていた。
★編集盤「ザ・ビートルズ・グレイテスト・ヒッツ」や西ドイツ盤「ウィズ・ザ・ビートルズ」に収録されているヴァージョンは、イントロのハイハットのカウントがついている。
【コメント】
★ジョン、、、「残念なことにこの曲はポールの曲だ(笑)。原稿にここで「笑」と入れといてくれよ。これはあいつの最初のデカイ一発だ。くやしいほどいい曲だ(歌いだす)。でも俺もバックで結構なギターを弾いているんだぜ。」
★ジョン、、、「ポールは完璧な作曲能力がある。」
★ポール、、、「歌詞から書いたはじめての曲、ロイ・オービソンとのツアー中にバスの中で書いた。」
【Don't Bother Me】
【作詞・作曲者】ジョージ・ハリスン
【ジョン・レノン】ギブソンJ-160E、タンバリン
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、クラベス
【ジョージ・ハリスン】ヴォーカル、グレッチ・デュオ・ジェット
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス、アラビアン・ボンゴ
【収録日】1963年9月11,12日
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【レコーディング詳細】
★はっきり聞こえるのでほとんどほとんどの方がお気づきだと思うが、イントロの終りかけのあたりで誰かが(ジョージ?)曲とは関係のない声を発している。
【エピソード】
★ジョージのソングライターとしての記念すべき最初の作品。音楽出版社ノーザン・ソングスのディック・ジェイムスから「君も曲を書いてみたらどうだい」という言葉に触発されて書き始めたが、なかなかうまくいかず相当イライラし悩んでいたという。しかしジョージ本人は「ジョンとポールが曲を作っているのを見ていたから、作曲については少しは知っていた。僕はラッキーだった。曲が出来上がる様子をすぐそばで見ていたんだからね。」と定説とは違って、それほど作曲することは苦ではなかったと語っている。
★「君も曲を書いたら?」と尋ねたのは、マージー・ビート編集長のビル・ハリーだとの説もある。
★「ジョージの曲になるとポールは俄然はりきってベースを弾く」といわれているが、ジョージのデビュー作品からさっそく指盤をめまぐるしく動く「張りきりベース」を弾いている。
★1963年8月19~24日におこなわれたボーンマスのゴーモント・シネマでのコンサートの際に、体調を崩したジョージが宿泊したホテルで書いた。この時のデモ・テープは今でも現存しており、口笛でメロディを吹きながら、アコースティック・ギターでコードを探している。
★このデモ・テープは1989年8月に、サザビーズ・オークションに出品され、当時のレートで約270万円でドイツのファンが落札した。テープは元々、ビートルズ時代のお抱え運転手のアルフ・ビッグネルが退職する際に、ジョンから記念にとプレゼントされたものである。
★9月11日のセッションでは7テイクレコーディングされたが満足できる内容ではなく、翌12日にリメイクという形で再レコーディング。19テイクまで録られ、メンバーがそれぞれパーカッションを担当した第13テイクにベストとされた第15テイクをミックスして完成させた。
【コメント】
★ジョージ、、、「良い曲だとは思っていないよ。そもそも曲と呼べるものではないかもしれないけど、書き続けることが大事だと分った曲だ。」
★ジョージ、、、「作曲の練習のつもりで初めて書いた曲。1963年の夏に泊まっていたボーンマスのホテルの部屋で書いたんだ。病気で寝ていたんだけど、だから「放っておいてくれ」というタイトルにしたのかな。」
★ジョージ、、、「ジョンはいつも助けてくれた。「曲を書き始めたら最後までいっきに仕上げたほうがいいぞ」とか、いろいろアドバイスをくれたよ。」
【Little Child】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー
【ジョン・レノン】ヴォーカル、ハーモニカ
【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、ヘフナー500/1、ピアノ
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・カントリー・ジェントルマン
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【収録日】1963年9月11日、12日、10月3日
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、第15、18テイクを編集して作成。「With The Beatles(1987年盤)」「The Beatles Mono Box」の「With The Beatles」等
★オリジナル・ステレオ、、、第21テイクを編集して作成。「With The Beatles (2009年ステレオ盤)」、「The US Box」の「Meet The Beatles」等
★ステレオ・ミックスはモノに比べて、エンディングの歌詞の音が大きくミックスされているので、はっきり聞こえる。またテープスピードが早いためか、ステレオのほうが3秒早く終わる。
【エピソード】
★ポールがピアノを弾いているが、ビートルズのメンバーが初めてピアノを弾いた最初の曲である。
★ポールの手書きの作詞原稿が残っているので、作詞はポール。
★ジョンの証言によると、リンゴのために書かれた曲であったが、I Wanna Be Your manのヴォーカルを担当することで落ち着いた。
【コメント】
★ジョン、、、「ポールと俺はこの曲を誰かのために書いたんだと思う。おそらくリンゴのためだったと思う。ちゃっちゃっとやっつけた曲。」
★ポール、、、「仕事のために書いた曲」
【Till There Was You】
【作詞・作曲者】メレディス・ウィルソン
【ジョン・レノン】ギブソンJ-160E
【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】ホセ・ラミレス・エステューディオ
【リンゴ・スター】ボンゴ
【収録日】1963年7月18、30日 18日のセッションではリンゴはドラムを叩いている。
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、「The Beatles Mono Box」の「Meet The Beatles」「With The Beatles (1987年盤)」等
★オリジナル・ステレオ、、、「With The Beatles (2009年ステレオ盤)」、「The US Box」の「Meet The Beatles」等
【エピソード】
★アメリカの作曲家メレディス・ウィルソンが1957年に書いた曲。ブロードウェイ・ミュージカル「ミュージック・マン」に使用された。
★1958年ソニー・ロリンズ、1959年アニタ・ブライアント1961年ペギー・リー他、多数のシンガー、ミュージシャンにカヴァーされている。
【コメント】
★ポール、、、「ボクは年上のいとこからものすごい影響を受けた。ペギー・リーの「Fever」を聴かせてくれたのもいとこだ。ペギー・リーは「Till There Was You」も歌っていたんだ。この曲が「ミュージックマン」というミュージカルの挿入歌だってことは、その後何年もたってから知ったんだ。」
★ポール、、、「ロックン・ロールじゃどこのクラブでも大して金にはならなかった。だからキャバレー向きの曲も必要だった。ボクには「Till There Was You」や「A Taste Of Honey」があったし、ジョンには「Over The Rainbow」「Ain't She Sweet」といったレパートリーがあった。いい曲だと思った。ボクらは、ただのロックン・ロール・バンドじゃないって証明さ。」
★ポール、、、「ジョージ・マーティンにあと1曲必要だと言われ、この曲を出した。」
【Please Mister Postman】
【作詞・作曲者】ジョージア・ドビンズ、ウィリアム・ギャレット、ブライアン・ホランド、ロバート・ベイトマン、フレディ・ゴーマン
【ジョン・レノン】ヴォーカル、リッケンバッカー325
【ポール・マッカートニー】バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】バッキング・ヴォーカル、グレッチ・デュオジェット
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【収録日】1963年7月30日
【シングル盤としての発売日】
★日本 1964年6月5日(B面は Money(that's what I want))ミュージック・マンスリー洋楽チャート最高7位 カナダ 1963年12月9日 (A面はRoll Over Beethoven)
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、「The Beatles Mono Box」の「Meet The Beatles」「With The Beatles (1987年盤)」等
★オリジナル・ステレオ、、、「With The Beatles (2009年ステレオ盤)」、「The US Box」の「The Beatles Second Album」等
★アナログ・レコード時代、アメリカ盤「The Beatles Second Album」収録のものは、米国キャピトル独自の深いエコーが掛けられていた。
【エピソード】
★タムラ・モータウンの女性グループ「マーヴェレッツ」が1961年にリリースした、全米No.1ヒット曲。
★1963年2月にヘレン・シャピロの前座としてツアーをしていた時に、ヘレンがステージで歌っていたこの曲を聴いて覚えたと言われている。
【Roll Over Beethoven】
【作詞・作曲者】チャック・ベリー
【ジョン・レノン】リッケンバッカー325、ハンド・クラップ
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、ハンド・クラップ
【ジョージ・ハリスン】ヴォーカル、グレッチ・カントリー・ジェントルマン
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス、ハンド・クラップ
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【収録日】1963年7月30日
【シングル盤としての発売日】
★日本 1964年4月25日(A面はTwist And Shout)カナダ 1963年12月9日 (B面はPlease Mr Postman)ビルボード誌最高68位
【レコーディング詳細】
★エンディングの最後の最後「ジャーン」で終わるこの短い部分がテープの切り貼りでつないだ編集になっていて、ここだけ明らかに音質が変わっている。
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、「The Beatles Mono Box」の「Meet The Beatles」「With The Beatles (1987年盤)」等
★オリジナル・ステレオ、、、「With The Beatles (2009年ステレオ盤)」、「The US Box」の「Meet The Beatles」等
★ステレオ・バージョンではキャピトル・レコード独自の深いエコー処理がされている。
★アメリカ盤2枚組みアルバム「Rock 'n' Roll Music」とイギリス盤「Rock 'n' Roll Music vol.1」では、ステレオの左右のサウンドが逆になっている。
【エピソード】
★オリジナルはチャック・ベリーが1956年にシングルとしてリリースしており、全米チャート29位まで上昇している。
★デビュー前までは、リード・ヴォーカルはジョンが担当していた。
★1964年3月21日、シングル発売されていないにもかかわらず、全米ヒットチャート68位に初登場して、その後4週に渡って100位以内をキープした。
【Hold Me Tight】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はポールの作品)
【ジョン・レノン】リッケンバッカー325、ハンド・クラップ、バッキング・ヴォーカル
【ポール・マッカートニー】ヴォーカル、ヘフナー500/1、ハンド・クラップ
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・カントリー・ジェントルマン、バッキング・ヴォーカル
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス、ハンド・クラップ
【収録日】1963年9月12日
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、「Beatles Mono Box」、「The US Box」の「Meet The Beatles」「With The Beatles (1987年盤)」等
★オリジナル・ステレオ、、、「With The Beatles (2009年ステレオ盤)」、「The Beatles '64 Box」の「Meet The Beatles」等
★手拍子はステレオでは「パンパンパンパン」と同じリズムを刻んで、「パンパン、パパパン」と変化するタイミングがサビに入ると同時だが、モノラルではサビ前から少し早いタイミングで変化する。またモノラルではエンディング最後まで手拍子が聞こえるが、ステレオでは少し早く聞こえなくなる。
★モノラルは2番の歌詞「tonight tonight」のところのジョンとジョージのコーラスが、ポールの歌とずれているが、ステレオではきちんとシンクロしている。またエンディングのコーラスはモノラルは、曲が終わる少し前に聞こえなくなるが、ステレオではきちんと最後まで歌われている。
【エピソード】
★デビュー・アルバム用にレコーディングされボツになったが、セカンド・アルバム収録のオリジナル曲が不足したため、新たにレコーディングし直した曲。
【コメント】
★ポール、、、「シングルにしようとして失敗した曲。単にアルバムを埋める曲になった。」
★ポール、、、「あまり思い出せないな。仕事で作った曲でちょっとシュレルズっぽい。」
★ジョン、、、「ポールの曲だ。俺も何かしら協力したと思うけど思い出せないな。かなり貧弱な歌で、全く興味が無い。」
【You Really Got A Hold On Me】
【作詞・作曲者】スモーキー・ロビンソン
【ジョン・レノン】ヴォーカル、ギブソンJ-160E
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、バッキング・ヴォーカル
【ジョージ・ハリスン】ヴォーカル、グレッチ・カントリー・ジェントルマン
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【収録日】1963年7月18日
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
★ビートルズの発表した公式レコーディング曲のなかで唯一の「ジョン&ジョージ」のヴォーカル曲。
★2分23秒あたりのジョンの「Baby!」のシャウトは後からオーヴァーダビングされた。
【I Wanna Be Your Man】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー
【ジョン・レノン】ギブソンJ-160E、バッキング・ヴォーカル
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1、バッキング・ヴォーカル
【ジョージ・ハリスン】グレッチ・カントリー・ジェントルマン
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス、マラカス、ヴォーカル
【ジョージ・マーティン】ハモンド・オルガン
【収録日】1963年9月11日、12日、30日(Gマーティンによるハモンド・オルガンの追加)、10月3日(リンゴのマラカスを追加)
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム(9月30日のセカンド・エンジニアはジェフ・エメリック)
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、「Beatles Mono Box」、「The US Box」の「Meet The Beatles」「With The Beatles (1987年盤)」等
★オリジナル・ステレオ、、、「With The Beatles (2009年ステレオ盤)」、「The Beatles '64 Box」の「Meet The Beatles」等
★ステレオではリンゴの歌の最中、手拍子や掛け声(おそらくポール)が頻繁に聞こえる。またギターソロ最後の部分でリンゴのしゃべり声が聞こえる。また、最後のサビの部分で誰かが(おそらくジョン)ふざけて低い声の鼻歌が聞こえるが、モノラルよりステレオのほうが良く聞こえる。またエンディングもステレオのほうが数秒長く、タイトルコールもきちんと4回聞こえる。
【エピソード】
★ジョンとポールがローリング・ストーンズのために書いた曲。ストーンスのマネージャーで元々ブライアン・エプスタインの下で働いたことがあったアンドリュー・オールダムが道で偶然に出会ったジョンとポールに、ヒット曲のないストーンズに曲を書いてくれと依頼したことだという。
★サビの部分はジョンが書いて、出だしを含む他の部分はポールが書いている。
★ポールによると、ギターショップがたくさん集まっていたチャリング・クロス・ロードをジョンと一緒に歩いていたとき、タクシーに乗っていたキースとミックを見つけて同乗した。スタジオに向かうところだったミックが「俺達が出せそうな曲、何かないかな?」と言ってきたので、リンゴのために作ってあった曲を提供したという。
★ポールはあらかた完成していたこの曲をスタジオ51でリハーサル中だったストーンズのメンバーの前で仕上げた。このとき左利きのポールがビル・ワイマンの右利き用のベースをいとも簡単に弾くのを見てとても驚いたという。またジョンとポールが曲を仕上げている様子を間近でみていたミックとキースは大きな驚きとともに感銘を受け、自らも作曲をすることを目指すようになったという。
★ちなみにストーンズ・ヴァージョンはビートルズのリリースよりも早い1963年11月1日に発売された。ビル・ワイマンの超忙しいベースとブライアン・ジョーンズのスライド・ギターが印象的なこのセカンド・シングルは全英チャート12位を記録した。
★ポールによると最初はボ・ディドリー風なアレンジだったという。この元々のアレンジは後年、ポールがMTVのライヴやツアーのサウンドチェックなどで聴くことが出来る。
★女の子の立場の内容となっている「Boys」をいつまでもリンゴに歌わせておくわけいにはいかないと考えて、この曲を作ったというのがポールの弁。
【コメント】
★ミック・ジャガー、、、「ジョンとポールの曲作りは見事だった。かなり売れ線の曲だったし、二人がいちばん良い曲のひとつを俺達に快くくれたことに驚いた」
★ビル・ワイマン、、、「キースはビートルズの曲をやるなんて鼻高々だと喜んでいたよ」
★ジョン、、、「通行人に配るチラシのようなものさ。この曲にはリンゴとストーンズのヴァージョンが存在する。ぼくらが連中をどうみていたか、これでよくわかる。ぼくらは連中によいものをやるつもりはなかったってことだ。ぼくらのほうじゃ、いらない曲だったからね。」
【Devil In Her Heart】
【作詞・作曲者】リチャード・ドラプキン
【ジョン・レノン】バッキング・ヴォーカル、ギブソンJ-160E
【ポール・マッカートニー】バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】リード・ヴォーカル、グレッチ・カントリー・ジェントルマン
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【収録日】1963年7月18日
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【レコーディング詳細】
★リード・ギターが結構なヘロヘロ状態で、曲中に繰り返し何度も出てくるベースとユニゾンで聞こえる駆けあがっていくフレーズは、途中で弾かなかったり弾き損ねたりが目立つ。そして極めつけはエンディング近くで弾く箇所を間違えてフライングして、あわてて弾くのをやめてしまっている。
【エピソード】
★オリジナルのドネイズ版はアメリカではほとんど知られていなかった曲で、ビートルズがこの曲を知っていたことにアメリカの評論家たちは驚いていたそうである。
★デトロイト出身の黒人女性グループ「ドネイズ」が1962年に発表した曲で、タイトルは「Devil In His Heart」と女性の立場で歌った曲。この曲を収録したシングル盤1枚をリリースしただけで解散。レコードもヒットしなかった。ジョージの提案でラジオ番組収録用にこの曲を選んだが、超マイナーなこの曲は提案したジョージのコレクションだったのかもしれない。
★6テイク録音されたが、そのうち3つテイクはリンゴのマラカスなどのオーバーダビング。
【コメント】
★ジョージ、、、「あまり知られていないけど、ドネイズの曲も演ったんだ。エプスタインのレコード店でこれを見つけてカバーしたんだ。」
【Not A Second Time】
【作詞・作曲者】ジョン・レノン、ポール・マッカートニー(実質はジョンの作品)
【ジョン・レノン】ヴォーカル、ギブソンJ-160E
【ポール・マッカートニー】ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】ギブソンJ-160E
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【ジョージ・マーティン】ピアノ
【収録日】1963年9月11日
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、「The Beatles Mono Box」の「Meet The Beatles」「With The Beatles (1987年盤)」等
★オリジナル・ステレオ、、、「With The Beatles (2009年ステレオ盤)」、「The US Box」の「Meet The Beatles」等
★モノラルに比べステレオではイントロのがほんの少しカットされている。またエンディングは数秒長く収録されている。
【コメント】
★ジョン、、、「何かにトライしてたんだろうけど、思い出せない。」
★ジョン、、、「(英国タイムズ誌に載ったクラシック評論家ウィリアム・マン氏のコラムの中での、エンディングはマーラーの「大地の歌」で使用されているエオリアン・ケーデンスと同じコード進行が使われている、という分析について)今の今まで、どこにエオリアン何とかが使われているかどうかもわからない。」
★ポール、、、「スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズに影響を受けた曲だね。」
【Money (That's What I Want)】
【作詞・作曲者】ジェニー・ブラッドフォード、ベリー・ゴーディ
【ジョン・レノン】ヴォーカル、ギブソンJ-160E
【ポール・マッカートニー】バッキング・ヴォーカル、ヘフナー500/1
【ジョージ・ハリスン】バッキング・ヴォーカル、グレッチ・カントリー・ジェントルマン
【リンゴ・スター】ラディック・ドラムス
【ジョージ・マーティン】ピアノ
【プロデューサー】ジョージ・マーティン
【エンジニア、アシスタント】ノーマン・スミス、リチャード・ランガム
【収録日】1963年7月18日
【 シングル盤としての発売日】
★日本 1964年6月5日(A面は Please Mr Postman))
【ミックス、バージョン違い(現行CDで聴くことが出来るもの)】
★オリジナル・モノラル、、、「Beatles Mono Box」、「The US Box」の「Meet The Beatles」「With The Beatles (1987年盤)」等
★オリジナル・ステレオ、、、「With The Beatles (2009年ステレオ盤)」、「The Beatles '64 Box」の「Meet The Beatles」等
★モノラルとステレオでは大きな違いがある。イントロでリズムに合わせたパーカッションが入って、ギターリフがないのがモノラル。イントロでギターリフが入って、パーカッションが入っていないのがステレオ。
★アメリカ盤2枚組みアルバム「Rock 'n' Roll Music」とイギリス盤「Rock 'n' Roll Music vol.1」では、ステレオの左右のサウンドが逆になっている。
【エピソード】
★バレット・ストロングの1959年のヒット曲。ビートルズの他、ローリング・ストーンズ、シュープリームス、ミラクルズなど多くのアーティストによってカバーされた。
★モノラル・ヴァージョンとステレオ・ヴァージョンとではイントロが大きく違っている。モノラルはピアノのリフにリンゴのリムショットが重なったイントロだが、ステレオではピアノとギターが重なったイントロになっている。
★デッカ・レコードのオーディション、1969年の「トロント・ロックン・ロール・フェスティヴァル」でも演奏され、1963年12月7日にはテレビ番組「イッツ・ザ・ビートルズ」のための演奏がリヴァプール・エンパイア・シアターで収録され、映像が残っている。
【コメント】
★ジョージ、、、「この曲はネムズ・レコード店(ブライアンの経営するレコード店)で見つけたんだ。」